AVプロダクションの理想形

2016年の「マークスジャパン事件」により、AV撮影に女優を斡旋するAVプロダクションの業務は、最早グレーではなく、完全にブラック（労働者派遣法違反）とされました。現在は「一般社団法人日本プロダクション協会(JPG)」「第2プロダクション協会(SPA)」等、AV業界の浄化を目指す業界団体に所属するAVプロダクションだけがいわば黙認されているかたちになっています。

AV業界の浄化策の第一は、AV女優とプロダクションの雇用関係の見直しです。

AVプロダクションの業務の違法性は、AV出演という職安法上の有害危険業務に女優を派遣すること（雇用性・労働者性）にあります。 不当な違約金請求や、出演強要等の問題の根幹にあるのも、雇用者AVプロダクションと被雇用者AV女優の関係です。 その関係を対等にすべく、推進されているのが、業務委託体制の徹底です。その体制の下では、AV女優がAV制作会社から仕事を受け、AVプロダクションにそのマネジメント業務を依頼します。これにより、ギャラがAV女優にも開示され、仕事を受けるかどうかもAV女優の判断にゆだねられます。ギャラの未払いや法外な違約金・出演強要等の問題が生じる余地がなくなり、AV女優の権利が確立されます。 AVプロダクションの業務から違法性が払しょくされ、完全なホワイトになるわけです。

同人AVという新しい潮流

同人AVという新しいAVジャンルが台頭してきています。同人AVとは、プロダクションやメーカーを通さず、個人から数人の仲間内で好きなAVを制作しようというもの。今や動画撮影はスマホで十分ですし、作品の発表やモデルの募集は、ツイッターなどのSNS（#同人AV）や動画サイトでOK。FC2等のアダルト専門マーケットプレイスで販売も出来ます。「１億総活躍社会」ならぬ「１億総AV制作会社」、誰でもAV制作者になれる時代なのです。カメラワークが単調だったり、ハメ撮りがメインでドラマ性に欠けていたりと、クオリティはまだAVメーカーのものには及びませんが、いずれ同人AVならではの進化を遂げる可能性があります。モデル希望の方にとっても、ますます手軽にAV女優になれる機会が広がりますが、撮影者の人間性によっては、ギャラ不払い等予期せぬトラブルに巻き込まれる場合がありますので、ご用心。